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ToCとToBの売り方を、使う人・決める人・払う人で考える

· つくり手

マーケティング / 事業づくり / 図解

個人向け・法人向けという区分から一歩進めて、誰のどの不便を減らし、誰が導入と支払いを判断するかを架空の例で整理します。

同じ便利なシートでも、自分の家計に使う人と、部署で使うために選ぶ人では、確かめたいことが変わります。誰が使うかだけでなく、導入を決める人と、支払う人まで分けると、伝える内容を考えやすくなります。

ToCは個人消費者向け、ToBは企業などの事業者向けを指す言い方です。ただし、その区分だけで「個人なら安ければ買う」「法人なら説明が長ければよい」と決めることはできません。

使う人には困る場面、決める人には導入条件、払う人には費用と続ける理由を確かめる。同じ人が兼ねる場合もある
名前より先に、購入に関わる役割を分ける

最初に書くのは、商品の機能より困る場面

「管理しやすいシート」だけでは、何の作業が変わるか伝わりません。毎月の請求額を比べたいのか、入力漏れを減らしたいのか、誰かへ説明する数字を揃えたいのか。使う場面によって、必要な入力も結果も変わります。

オーストラリア政府のマーケティング計画ガイドも、対象顧客と、なぜその商品を必要とするかを確かめた上で、伝える内容や販路を考える流れを示しています。

ここでは、誰のどの作業を変えるのかを先に一文にします。「月ごとの電気代を見比べるため、請求額を同じ形式に並べたい」。その一文から、記録欄、比較、見せ方を選びます。

個人向けの例は、自分が使い始めるまでを見る

架空の例として、家計用の光熱費シートを考えます。買う人自身が使うなら、手元のソフトで開けるか、最初に何を入力するか、結果をどう読むかが判断材料になります。

商品ページには、入力例と結果、対応する形式、料金を含む範囲を載せる。便利そうな見た目だけでなく、買った後の最初の一回を想像できるようにします。

家族と一緒に使うなら、使う人と支払う人が違う場合もあります。個人向けでも、役割がいつも一人にまとまるとは限りません。

法人向けの例は、使える条件も判断材料にする

別の架空の例として、部署で使う集計ツールを考えます。実際に入力する人、導入を判断する人、支払いを扱う人が別なら、それぞれの確認事項が必要です。

入力する人は手順と負担、導入を決める人は既存の仕事とのつながりやデータの扱い、支払う人は費用と続ける条件を確認するかもしれません。これは整理のための例であり、すべての企業の購入手続きが同じという意味ではありません。

小さな事業では同じ人が兼ねることもあります。相手の会社規模だけで決めず、実際に誰へ何を確認するかを調べます。

自分の事業では、何を仮説にして試すか

まず、使う人・決める人・払う人を仮に書き、分からないところは空欄にします。次に、それぞれが迷いそうなことを一つずつ挙げます。

  • 使う人:最初の入力を、説明なしで始められるか。
  • 決める人:既存の方法から変える理由が伝わるか。
  • 払う人:価格と、含まれるもの・含まれないものが分かるか。

仮説を置いたら、商品ページの閲覧、質問、試用や購入の反応と照らし合わせます。反応がまだ取れていなければ、売り方が正しいと確定しない。図で整理することと、需要があると確かめることは別の工程です。

しっぽ舎の商品ページなら、最初の一回を見せる

この整理を、しっぽ舎で準備しているテンプレートの商品説明にも使います。たとえば光熱費シートなら、「支出を管理できます」で終えず、何を入力し、何が並び、どこを見れば比較できるかを、同じ入力例でつなげる方針です。

購入を決めるための情報も分けます。対応するファイル形式、含まれるファイル、使い始める手順。機能を増やす前に、説明と実際の配布物が一致しているかを確かめます。

これで売れるようになった、という結果はまだありません。商品ページを変えた記録と、その後の質問や購入の反応を残し、次の修正を決める材料にします。

売り方の前提を整理した後は、テンプレート販売で残る金額や、無料ツールの収益のしくみも合わせて見直します。

読んだ本の視点を、商品説明に戻す

佐藤義典さんの『ドリルを売るには穴を売れ』は、これまでに読んだ本の一冊です。顧客が得る価値、対象顧客、差別化、届け方を扱うマーケティング入門書です。

この題材から、しっぽ舎で試したい問いは「ファイルを売る説明から、使った後に何を判断できるかの説明へ変えられるか」です。光熱費シートなら、記録欄の数だけでなく、月ごとの請求額を比べる入力例を先に見せる。これは自社で試す案で、書籍の実践事例や販売効果を確認したものではありません。

この案と本の考え方を照らし合わせ、見落としていた顧客や別の価値がないかを見直します。

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