しっぽ舎
← コラム一覧

月末の締めは、どこで時間がかかっているのか

· つくり手

スプレッドシート / 自動化 / 月次集計

CSVの取り込みから締めまでを5工程に分け、同じ処理をまとめる範囲と人が確認する箇所を整理します。

月末の集計は終わったのに、数字の確認で締められない。手作業を減らすなら、計算式だけでなく、データを取り込んでから結果を確定するまでを分けて見るのが出発点です。取り込み・照合・集計・確認・締めの5工程で、自動化する範囲を整理します。

CSVを取り込み、件数と金額を照合して集計する。不一致を人が確認し、対象月と版を決めて締める
図 月末の締めまでの5工程

取り込みで、毎回同じ形に直していないか

CSVは、表のデータをカンマなどで区切って保存するファイルです。スプレッドシートへ取り込む前に、必要な列、日付の形式、対象月を決めます。毎月、列を並べ替えたり日付を書き直したりするなら、その手順を自動化の候補にできます。

Google公式のCSV取り込み例では、指定フォルダのCSVをスプレッドシートへ取り込み、処理済みのファイルを移動します。自動化には、Google Apps Scriptという、Googleのサービスを操作するためのプログラムを使っています。

照合は、元データに戻れる形にする

照合は、取り込む前と後の件数や金額を比べる作業です。「合計が合った」だけで終わらず、同じ行の二重取り込み、必要な行の抜け、対象月の違いも確認する設計にします。

そのためには、何を同じ行とみなすかを先に決めます。注文番号などの識別子があるなら、その値を照合に使う方法が考えられます。不一致を見つけたら、元のファイルと行へ戻れる一覧を出す。探し直す手間を減らすには、集計表と同じくらい、この一覧が大切です。

ボタン1つで、どこまで進めるか

Google公式の説明では、スプレッドシートのメニューや画像・図形からプログラムを実行できます。ただし、画像・図形に割り当てた処理はWebブラウザ向けで、モバイルでタップしても実行されません。スマホから使うなら、別の実行方法を設計します。

月次集計に使うなら、決めた形式のCSVを読み、照合し、月別の集計表と不一致一覧を出すまでを、1回の実行にまとめる設計です。初回に入力形式・照合条件・保存先を設定し、同じ条件で繰り返せる範囲を選びます。

取り込みができるだけで、抜けや重複まで解決するわけではありません。取り込みの処理と照合のルールは、それぞれ用意します。

人が確認して、締める

不一致の理由を確かめ、修正後の数字を照合し直す。最後に対象月と確定した版を決め、結果と元データを残します。不一致が残っているなら、締めを止める手順も決めておきます。

まずは今月の作業を5工程に分け、どこに時間を使ったかを記録する。同じ手順の繰り返しと、理由を見て決める作業が分かれば、先に自動化する範囲を選びやすくなります。

最初に決める3つのこと

いきなり全工程をつなぐ前に、今月のファイルを一つ選び、次の3点を書き出します。

  • 対象:どのファイルの、何月の、どの列を取り込むか。
  • 照合:何を同じ行とみなし、件数・金額のどれを元データと比べるか。
  • 確定:不一致を誰が確認し、どの状態なら締めてよいか。

この3点が曖昧なら、まず手作業で一度たどる。毎回同じ手順だけを自動化の候補にすると、どこまでできたらよいかを確かめやすくなります。入力から保存までの分担は、アプリ構成の比較でも図にしています。

コラム一覧へ →