しっぽ舎
← コラム一覧

入口の商品と本命の商品。安い商品は何のために置くのか

· くらと

マーケティング動物社員の教室

マーケティングでいう「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」を、動物社員の会話で解説します。営業・広報・サポート・経理、それぞれの仕事での使い方と、よくある失敗まで。

マーケティングでいう「フロントエンド商品」と「バックエンド商品」を、動物社員の会話で解説します。営業・広報・サポート・経理、それぞれの仕事での使い方と、よくある失敗まで。

この記事の要点

  • 入口の商品は、知ってもらい試してもらうためのもの。利益の中心は本命の商品に置く
  • 入口だけを増やしても、流れ着く先がなければ売上にならない
  • 商品を作る前に「入口か本命か」を決めると、何で成果を測るかも決まる

お店で、試供品をもらったことがある人は多いと思います。あの小さな袋は、それだけで儲けるために配っているわけではありません。気に入った人に、あとで本品を買ってもらうための入口です。

マーケティングでは、この入口を「フロントエンド商品」、本命を「バックエンド商品」と呼びます。今回は、しっぽ舎のキャラクターで、営業・広報・経理・サポートなどの仕事を受け持つ動物社員たちの会話で、この考え方を見ていきます。質問役は、新入社員のペンギン「ぺんた」です。

入口と本命は、役割が違う

ぺんた

ぺんた 新入社員

安い商品と高い商品って、値段が違うだけじゃないんですか?

うさこ

うさこ 企画・マーケティング

役割が違うの。入口の商品は「知ってもらう・試してもらう」ため、本命の商品は「利益を出す」ためにあるのよ。

解説記事での整理をまとめると、次のようになります。

入口の商品(フロントエンド)本命の商品(バックエンド)
目的知ってもらう、試してもらう、関係をつくる利益を出す
価格無料か低価格比較的高い
出すとき最初の接点信頼ができたあと
中身分かりやすく、すぐ使える専門的で、まとまっている

化粧品なら「お試しセット」が入口で、「シリーズのセット」や「定期便」が本命、という例がよく挙げられます。利益率の目安として、入口を20%程度、本命を50〜80%程度とする解説もあります。ただし業種によって大きく違うので、目安として読むのが安全です。

私だったら、こう使う

同じ考え方でも、仕事によって使い方が変わります。

しばた

しばた 営業

営業なら、いきなり年間契約をお願いしないです。まず1か月のお試しや、無料の見積もりで「この人に頼むと楽だ」と感じてもらってから、本契約の話をします。

うーた

うーた 広報・SNS

広報なら、役に立つ投稿や無料の資料が入口! 投稿で直接売ろうとすると嫌がられるから、投稿は入口、売るのはプロフィールの先、って分けてるよ。

はむむ

はむむ カスタマーサポート

サポートは、入口の商品を買ってくれた人の質問に、ていねいに答えるのが仕事です。ここで困りごとが解決すると、本命の商品の話を聞いてもらいやすくなります。

とら

とら 経理

経理としては、入口の商品が赤字でもいいかは、本命まで進む人の割合で決まります。入口で100人に損をしても、本命に進む人がほとんどいなければ、損が残るだけです。

よくある失敗:入口だけが増えていく

うさこ

うさこ 企画・マーケティング

いちばん多い失敗は、入口ばかり作って、本命がない状態ね。

入口の商品は作りやすく、出すのも気楽です。そのため、無料の道具や安い商品が増えていく一方で、そこから先に進む場所がない、ということが起こります。

しっぽ舎でも、実際にこれが起きていました。2026年11月に、販売中・公開中のものを「入口」「本命」などの役割で並べ直したところ、無料の道具や低価格の商品は揃っていたものの、利益を出す本命の商品は1つも売れていませんでした。入口に来た人が、次に進む場所がなかったのです。

ふく部長

ふく部長 経営企画・データ分析

数字で見ると分かりやすいですね。1件の手取りが238円の商品で月5,000円を出すには、毎月22件売る必要があります。手取りが2,000円台の商品なら、3件ほどで届きます。

入口の商品が悪いわけではありません。役割を決めずに置いていたことが問題でした。

作る前に、入口か本命かを決める

ぺんた

ぺんた 新入社員

じゃあ、新しい商品を作るときは、どうすればいいですか?

うさこ

うさこ 企画・マーケティング

作る前に「これは入口? 本命?」を決めるの。そうすると、何で成果を測るかも決まるわ。

役割何で成果を測るか
入口本命の商品に進んだ人の数、資料請求やリスト登録の数
本命売れた件数と利益

入口の商品の成果を「売上」だけで測ると、安い商品は全部失敗に見えてしまいます。反対に、本命の商品を「アクセス数」で測ると、売れていないことに気づくのが遅れます。

まとめ

  • 入口の商品は、知ってもらい試してもらうためのもの。利益の中心は本命の商品に置く
  • 入口だけを増やしても、流れ着く先がなければ売上にならない
  • 商品を作る前に「入口か本命か」を決めると、何で成果を測るかも決まる

あなたの仕事やお店で、いま「入口」になっているものは何でしょうか。そして、その先に「本命」は用意できているでしょうか。

コラム一覧へ →